澤上マリの胸を揉みしだきながら、マイケルのおしゃべりは止まらない。
「社長の体って、本当最高っすね。筋肉も付き過ぎず、うっすら脂肪が乗りつつスレンダーで抜群のプロポーション。おっぱいもマシュマロみたいだし。もちろん若い娘のピチピチ、プリプリの体も捨てがたいものもありますけどね。そういえば、この間ヒール控え室に連れ込んで、ベンといたずらした、あの新人。名前なんて言ったっけ?」
「今、なんて言ったの? 先月、泣きながら退団届け持ってきた練習生がいたけど、まさか、あなた達の仕業? いったい、あの娘に何をしたの?」
突然、表情を豹変させ、語気を荒げるマリに驚くマイケル。
「何って、ベンと二人で少し痛めつけて、体触っただけなんだけど。」
「プロなんだからリングに上がる以上は私たちにはそれなりの覚悟はできてる。でもリングの外、しかもデビュー前の素人同然の娘だったのよ! あなた達、絶対許さない!」
折れかけていたマリの闘志に再び、火がついた。良いように触っていたマイケルの腕を払いのける。
呆然とするマイケルを尻目に、状態を起こすとベンの顎に、怒りの鉄拳を見舞う澤上マリ。
ガツン!
「ぐはっ!」
「やべぇ、社長がキレた!」
狼狽して、マリを取り押さえようとするマイケルの鳩尾に、気合と共にマリのローリング・ソバットが叩き込まれる。
「とうっ!」
ドスッ!
「ゲホホッ!」
澤上マリの怒りは止まることを知らない。スレンダーな体、しかもスタミナは完全に絞りつくされたはずだが、どこからパワーが沸いてくるのか。
「うおおおっ!」
雄たけびとともに巨漢のベンを高々と振り上げるとパワーボムだ。さすがにベンの顔からも薄ら笑いは消え、驚愕の表情だ。
所属レスラー思いの澤上マリにとって、プロレスに夢と憧れを抱いて入団した新人が、変態男子レスラー二人組のセクハラで退団に追い込まれたことは、絶対に許しがたいことなのだ!
凄まじい怒りをエネルギーに、一気に試合をひっくり返したマリ。今度は完全決着か?
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