長時間のローンバトルでダメージの大きいジャンヌへ、容赦ない攻撃をするアイリーン。腕を極めてのフェースロックだ。
「うぐっ。」
(絶対に負けるわけにはいかない。)
完全に極まったフェースロックを、必死に耐えるジャンヌ。
フェースロックで容易にギブアップが奪えないと判断すると、アイリーンは相手の顔から首に両手を掛け代えて絞め上げる。チョーク攻撃だ。
「ううっ。」
(ダメ。意識が遠のいていく。)
頚動脈に当てた前腕部に1層力を込めるアイリーン。
「うっ。。。。。」
ジャンヌの意識が遂に途切れた。
意識の無いジャンヌを踏みつけるアイリーン。
「世界一になるためなら、悪魔にだって魂を売るわ!こうなったら、ヒールをとことん極めてやる。」
「ようこそ、『デーモン・クロー』へ」
アイリーンにかけよるレイカとキマイラ。
WSM随一の実力者アイリーン・ローレンスの加入で、益々強大になる『デーモン・クロー』。その勢いを止める者は、果たして現れるのか。
Double Cross(裏切り) -完-
試合中盤、2対1で苦戦するジャンヌ・ミラージュ。
キマイラにフルネルソンで上半身を極められ、両足をこじ開けられた格好は、まさに磔状態だ。身動きできないジャンヌの胸をマイケルが良いように揉みしだく。
「うっひょ~♪ジャンヌの胸、大きくて弾力が凄いぜ!」
「貴方たち、二人掛かりは卑怯ですよ。胸から手を離しなさい!」
「やだよ。へへへ。それっ、モミモミ。」
「くうっ。」
二人掛かりの卑劣な攻撃を見るに見かねて、アイリーンが救出にリングイン。
と思った瞬間、信じられない言葉がアイリーンの口から発せられる。
「マイケル、コーナーのアリスを抑えときなさい!」
「えっ?」
突然、ジャンヌの無防備な腹にパンチを叩き込むアイリーン!
「ぐはっ。いったいどうしてなの?アイリーン!」
ジャンヌの問いかけを無視して、次々にパンチを振り下ろすアイリーン。
「お姉様、どうしたの?気でも違ったの?」
コーナーから絶叫するアリス。
「おっと。お嬢ちゃんは、ここで大人しくしときな。」
「離しなさいよ。」
ローレンス姉妹、ジャンヌ・ミラージュ組 VS 『デーモン・クロー』の3対3タッグマッチ。
試合序盤、ローレンス姉妹の姉アイリーンがアブドーラ・ザ・キマイラをレスリングテクニックで圧倒。WSM一とも噂される実力を如何なく発揮し、150kgは超える巨体を軽々とジャーマンで投げつける!
「お姉様、凄いわ!」
赤コーナーから声援を飛ばすのは、妹のアリスだ。
かろじてアイリーンの猛攻をしのいだキマイラが、自軍コーナーにアイリーンを押し込む。エプロンサイドのデーモン・レイカがアイリーンにささやきかける。
「アイリーン、『デーモン・クロー』へ入りなよ!」
「何を馬鹿なことを!」
「お前、世界一になりたいんだろう?ベビーフェースのままじゃ、永遠にパンサー・ミミとは闘えないよ。」
「うっ、それは。。。」
レイカの悪の誘いに動揺するアイリーン。
アイリーンの目標は、世界トップクラスの女子レスラーの集まっているWSMでチャンピオンになること。レイカの言う通り、ベビーフェースでいる限りは同じベビーフェースのミミと試合が組まれることは無い。理屈では理解していても、ずっとジレンマを感じていたのだ。
| ホーム |