団体宣伝用のビデオ、写真撮影に南の島にやってきたパンサー・ミミ。
「皆さん、暑中お見舞い申し上げます。選手一同がんばっていきますので、今後もWSMをよろしくお願いします。」
胸と股間を覆うのは貝殻のみという際どい水着(?)に、さすがのミミも顔をひきつらせている。
何故か撮影に同行しているドン・ポーゴが駄目だしをする。
「ダメダメ、チャンピオン。笑顔が固いよ。それに手を離さなきゃ、画にならないよ。」
「馬鹿、紐も付いてないのに手を離したら落ちちゃうじゃないの! それに、これ本当にマリ社長が指定した水着なんでしょうね!」
「ほ、本当だってば。」
(うそだよ~ん。俺の趣味だよ~ん。それに今頃、社長は権三さんたちにリングでいたぶられてるよ~ん。)
自前の水着に着替えてくつろぐパンサー・ミミ。
「それにしても、さっきの貝殻、いったい何だったのかしら。でも、まあいいわ。このBLOGの作者の更新ペースなら、私の出番はしばらくないはずだから。当分の間、南の島でゆっくりできるわね。」
というわけで、しばし戦士の休息です(^^;。
場外でダウンしていたエミー南条が、ようやく息を吹き返しリングに復帰する。
「貴方達、マリ社長に何してるの? 社長、今助けます!」
意気込むエミーだが、試合前半に受けたダメージのせいで足元が定まらない。
エミー南条の声に、澤上マリをいたぶっていた手を止めて、思わず顔を上げる三人組。
澤上マリの腰の辺りを踏みにじっていたタイガー・ノワールが不機嫌そうに声を上げる。
「ちっ、良いところでとんだじゃまが入ったわね。ブラッディー、このままマリさんを抑えといて。あっちから先に片付けてやる」
「OK、ノワール。」
「エミーー!」
弱弱しく声をあげる澤上マリ。どれくらいの時間、三人がかりで精神的、肉体的に痛め続けられていたのか? 息も絶え絶えだ。
「よくも、3人がかりでマリ社長を! 許さないわ。」
殴りかかるエミー南条だが、あっさりかわされ右手を掴まれる。
「何、このモーションの大きいパンチは? 私はあなたみたいな素人がリングに上がるのが一番嫌いなのよ。」
踏み込みざま、小さく、しかし腰の入ったボディブローを叩き込むタイガー・ノワール。
「パンチってのは、こう打つのよ。」
「うぐっ、げほっ、げほっ。」
レバーに強烈な一撃をくらったエミー南条はたまらずダウン。
「ちょっと! 権三さん、少し手を貸して。」
無理やり引き摺り起こされると、2人掛かりで両腕をがっちりとロープに固定されてしまったエミー南条。
「そろそろ、マリさんの方も仕上げに入るからね。権三さん、しっかりエミーさんは抑えといてね。」
「OK、OK、任せといてくれ。しかし、あのパンパンに張り詰めたスーツとシャツの下に、どんな巨乳がおさまっておるのか、いつも妄想しおったのじゃ。エミーさん、あんたの胸を触って顔を埋めるのが、わしの夢じゃったのじゃ。」
おもむろにエミー南条の胸をさわり始める、マグニフィセント・権三。
サワサワ、モミモミ。
「おおおお! なんと言うボリュームと張りじゃ! 最高~~!」
「ちょっと、止めなさい。権三さん!」
澤上マリの救援にリングインしたエミー南条までも、卑劣な敵の手に落ちてしまった。
『エグゼキュティブ・レディース』まさに絶体絶命!!
澤上マリの体を無理やり引き摺り起こしたブラッディー・タイガー。マリの首、両肩をリバースネルソン・ホールドに捉える。さらには両足を絡めて、マリの動きを完全に封じ込める。そのパワーに目を奪われがちだが、テクニックも一級品だ。
突き出された澤上のマリのヒップを覆うのは、Tバック、いやYバックと呼ぶほうがふさわしい紐状のコスチュームだ。
「マリさん、なんて恥ずかしいかっこしてるんですか。上からだと、お尻の穴が見えちゃいますよ~~。」
相変らず小ばかにしたような口調のタイガー・ノワール。
「くっ。」
四肢をがっちりとブラッディー・タイガーを極められ、悔しげに唇をかみ締めるほか無い澤上マリ。
「何~? お尻の穴~? なんと破廉恥な! いけませんなあ。社長として下のものに示しがつかんではないですか。これはお仕置きが必要ですな。」
嬉々とした表情のマグニフィセント・権三。
どこから持ち込んだのか、竹刀で澤上マリのヒップを叩き始めるマグニフィセント・権三。
「ほおれ、お仕置きじゃー。」
バシッ!
「あうっ。」
「お仕置きよ!」
負けじと、タイガー・ノワールはキックを叩き込む。
ビシッ!
「くっ。」
バシッ!
ビシッ!
バシッ!
ビシッ!
・
・
・
ようやくブラッディーのリバースネルソン・ホールドから開放され、倒れこむ澤上マリ。
いったい何十発、叩かれ、蹴られたのか。そのヒップが無残にも赤く腫れあがっている。
腹を抱えて大笑いするのはブラッディー・タイガー。
「はっはっはっは。何だい?こいつのケツは?これじゃ、本当にジャパニーズ・モンキーじゃないか?」
マグニフィセント・権三はすっきりした表情だ。
「リーグ戦は出場できなくなるし、この間ちょっと女子更衣室を覗いただけで減俸50%にされるし、社長にはひどい目に遭わされて来ましたからな。ほっほっほ、良い気味じゃ。」
タイガー・ノワールはブーツのヒールで澤上マリの右手を踏み潰す。
「しかし、WSMの社長ともあろうお方が、なんて情けないかっこなんですか。まあ、私だったらお客さんの前でこんな醜態さらしたら、明日から人前に出れませんけどね。ほっほっほっほ。」
三人に嘲笑され、屈辱のあまり言葉も出ない澤上マリ。
「うぐっ。」
(恥ずかしい。。。もう、こんなのいやよ!いやっ!)
女の身で社長業をこなすことは、気の抜けない瞬間の連続であった。今、まさにピンと張り詰めた糸が切れるように、彼女の心が折れようとしている。
負けるな、澤上マリ!
エミー! 早くリングへ戻ってマリさんを助けるんだ!
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