ジャイアント・ベヒモスがコーナーから飛び上がった瞬間。
失神していたはずのパンサー・ミミが上半身を起こし、ナイトメアーの左足に絡みつく。
「こ、こら、止めろ!」
バランスを崩し、あわてるナイトメアー。
1対2、しかも自身の左膝の負傷という絶対的な不利な状況。勝機をつかむため、これまでベヒモスの猛攻にも耐えに耐えて一瞬のチャンスにかけていたのだ。
前のめりに倒れるナイトメアーの上に、ベヒモスの巨体が降ってくる。
「あわわわ。」
「よけてくれ~!」
ズシーーン!
ベヒモスのボディプレスの衝撃で、リングが壊れるかと思われるほど激しく振動する。
「ウギャッ!」
巨大な肉塊の下敷きになった哀れなナイトメアーは、うめき声を上げると意識を失ってしまった。
間一髪でかわしたパンサー・ミミ。
「はぁ、はぁ、危なかったわ。あんなの、まともに喰らったら。」
怒り心頭のジャイアント・ベヒモスがパンサー・ミミをロープ際に追い詰める。
「この野郎、俺のベア・ハッグをもう一度お見舞いしてやる。」
「同じ技を、二度も喰らうもんですか。」
上体をかがめて、かわすミミ。
空をつかんだベヒモスがバランスを崩し、その上半身が大きく場外へせり出した瞬間。
ロープの反動にタイミングを合わせて、パンサー・ミミが300kg近いベヒモスの巨体を担ぎ上げる。ベア・ハッグで痛めつけられた腰と、負傷している左膝を激痛が襲うが、気合もろとも一気にベヒモスを場外へ叩き落す。
「とおおっーーー!」
地響きを立てて、脳天から場外へ落ちたベヒモス。自分の体重が仇となり、完全KOだ。
絶体絶命の危機からの鮮やかな逆転劇!
強い、あまりにも強い! これがパンサー・ミミだ!
チャンピオンベルトは伊達ではないのだ。
凄いぞ! パンサー・ミミ!
このまま、一回戦突破成るか?
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