300kg近い体重の巨体を誇るジャイアント・ベヒモス相手に、距離を取って闘いたいパンサー・ミミ。ビシバシとキックを叩き込んでいく。
が、軸足の左膝を負傷しているため、キックにいつもの威力が無い。
ベヒモスの圧力に押され、じりじりと後退していく。
ロープ際まで追い込まれたミミ。その背後をナイトメアーが襲う。
ミミの頚動脈をチョーク・クローで締め上げる。
「しまった! あうっ、ぐぐ。」
さらに身動きできないパンサー・ミミの無防備なボディに、ベヒモスがボディー・ブローを見舞っていく。
300kg近い筋肉の塊から繰り出されるパンチなのだ。一発一発が必殺技になり得る威力だ。いくらミミが腹筋を鍛えているとはいえ、これはたまらない。文字通り、内臓を押しつぶすような激痛が襲う。
ドスッ、メリメリ。
「うぐっ!」
ドスッ、メリメリ。
「あうっ!」
ベヒモスに散々、ボディ・ブローを喰らったパンサー・ミミ。
激痛にたまらず腹部を押さえて、リング上で悶絶する。
「げほっ、げほっ。はぁ、はぁ。」
「よし、ベヒモス。今日はお前の怪力を存分にふるってやれ。ベア・ハッグだ。」
「良いのか。ベア・ハッグは禁じ手じゃあねえのか。」
「かまわん。やれっ!」
他のレスラーとあまりにも体格、パワーが違うため、これまでジャイアント・ベヒモスはベア・ハッグを使うことをWSMでは禁じられていたのだ。
禁じ手のベア・ハッグを遂に解禁。
人間離れした怪力でパンサー・ミミの背骨を締め上げるジャイアント・ベヒモス。まさに死の抱擁だ。
「あうっ、くう。」
「おらおら、ギブアップしないと背骨が折れちまうぜ。」
「い、いやよ。ぐっ。」
首を激しく振り、悶絶しながらも歯を食いしばり、必死に耐えるミミ。
(倒れた皆のためにも、デーモン・クローにだけは絶対に負けられない。それに、私はチャンピオンなのよ。)
ギュー、ミシミシ。
ミミの背骨がいやな音を立ててきしみ始める。
遂に本領を発揮、その怪力でパンサー・ミミを苦しめるジャイアント・ベヒモス。絶対絶命のミミに果たして、逆転のチャンスはあるのか。負けるなパンサー・ミミ!
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