「ちょっと、ZAKO1号、2号! 他人の試合で何してるの? FPWの恥をさらさないでくれる!」
リングに登場したのは、ZAKO1号、2号と同じインディーズ系団体FPW所属の”すどめ”こと須藤めぐみだ。
「で、でた~。”すどめ”だ。」
狼狽するZAKO1号、2号とドン・ポーゴ。
「お前たち、あわてるな! こいつも3人がかりで掛かれ、えっ?」
マグニフィセント・権三の言葉が終わらぬうちに、”すどめ”がハイキックでドン・ポーゴを吹き飛ばす。
「こらっ、まだわしの話の途中じゃぞ!」
「何、ごちゃごちゃ言ってるの?」
怒り心頭の”すどめ”はZAKO2号も、あっという間に叩き伏せる。
「このFPWの恥さらし! それに貴方達、さっきあたしの悪口言ってたでしょ。しっかりマイクに拾われてたわよ!」
強烈な右フックでZAKO1号もKOだ。
「ひええ、勘弁してくれ~。」
残るは、マグニフィセント・権三ただ一人。
開幕試合から相次ぐ乱入で大混乱のWSM公式タッグ戦。
収集を付けるべくリングに登場したのは、WSM社長の澤上マリ。オープニングセレモニーに出てたため、ドレス姿での登場だ。
「この試合の裁定を発表いたします。ドン・ポーゴ、マグニフィセント・権三組のTKO勝ち。なお、二回戦のドン・ポーゴ選手のパートナーは、ここにいる須藤めぐみ選手とします。」
「えっ?えええ~~??」
驚きの裁定にどよめく会場。もちろん、”すどめ”本人も驚きで声が出ない。
「社長、どうして、わしが次の試合に出られないんじゃ?」
「権三さん、貴方まともにレスリングできないじゃないの。公式タッグ戦はWSMの最重要イベントなのよ。レベルを落とすわけにはいかないわ。」
「じゃが。」
「だめです!!」
マリに一喝されて引き下がる権三。
「マリさん、ちょっと待って下さい。こいつら4人、いや5人掛かりだったんですよ。」
「どう考えても、こいつらの反則負けでしょ。この裁定おかしいわ。」
抗議の声を上げるC.C.ドールズ。
「この試合の内容で、今後勝ち進めると思ってるの? 貴方達、力不足なのよ。須藤選手を御覧なさい。なつきと同じ3人を相手に、軽く蹴散らしたじゃないの。それに彼女なら、あの場面で絶対にギブ・アップなんかしないわ。」
「くっ、わかりました。」
しょげ返るC.C.ドールズに、さらに声をかけるマリ。
「大丈夫、貴方達の普段のがんばりは知ってるわ。練習は嘘をつかない。来年の公式タッグ戦は期待してるわ。」
「はいっ!」
開幕戦から大波乱の結末となった公式タッグ戦。今後、いったいどんな展開が待っているのか?
Aブロック 1回戦 第1試合 -完-
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